株式投資をしていると、次のように悩むことはありませんか。
- この会社に投資して本当に大丈夫?
- 株価が上がりそうな企業をどう見極めればいいの?
- 今の株価は割高?
この答えに対する回答はずばり財務諸表を正しく読むことです。
財務諸表と聞くと、
「会計士や経理の仕事で使うもの」
「初心者には難しくて読めない」
と感じるかもしれません。
しかし実際には、財務諸表は企業の成長性・安定性・リスクを数字で確認できる、投資家にとって最良のツールです。
しかも、ポイントさえ押さえれば初心者でも十分に読みこなせます。
本記事では、会計士が実務でどこを見ているのかという視点を交えながら、投資家が最低限押さえるべき財務諸表の見方を、具体的な数値指標とチェックリスト形式で解説します。

記事を読み終えたときには、ニュースや株価の上下に振り回されず、数字を根拠に株を判断できる投資家になっているはずだよ!
1.財務諸表とは何か
財務諸表とは、企業の経営成績や財政状態を数字で表したものです。
いわば企業の健康診断書であり、正しく読むことで、企業の「良い点」と「注意点」の両方を、数字で客観的に把握できます。
私は会計士として企業の監査・分析に携わりながら、同時に投資家として株式市場と向き合ってきました。その経験から、投資判断で最も信頼できる情報は財務諸表であると感じています。
個人投資家が安定した成果を目指すには、短期的な値動きではなく、
・売上や利益が継続的に成長しているか
・財務状態に欠陥はないか
・資金繰りは正常か
といった点から、企業の状態を正しく理解することが重要です。
財務諸表は、これらをシンプルかつ高い信頼性で確認できるツールです。
2.初心者がまず理解すべき3つの財務諸表
財務諸表にはいくつか種類がありますが、投資初心者がまず押さえるべきなのは次の3つです。
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
- キャッシュフロー計算書(C/F)
この3つを数値で確認するだけでも、企業の全体像は驚くほどクリアになります。
①貸借対照表(B/S)|企業の耐久性を数値で判断する
貸借対照表は、企業の倒れにくさ(耐久性)を確認するための財務諸表です。
投資家がまずチェックしたい数値指標は以下の通りです。
★安定性チェックリスト
| 指標 | 目安 | 確認科目 | 見るべきポイント |
|---|---|---|---|
| 自己資本比率 | 50%以上 | 自己資本/総資産 | 借入依存度が低く、長期的に倒れにくい財務体質か |
| 流動比率 | 200%以上 | 流動資産/流動負債 | 短期的な支払能力に余裕があるか |
| 現預金残高 | 流動負債の50%以上 | 現金及び現金同等物 | 不況や突発的支出に耐えられる余力があるか |
| 有利子負債比率 | 低いほど良い | 有利子負債/自己資本 | 借金返済リスクが過大でないか |
自己資本比率が高く、現金をしっかり持っている企業は、不況時にも耐えやすい体質を持っています。
企業の「耐久性」を測る5つの指標については、以前の記事で紹介しているのでこちらも参考にしてください。
長期投資で成功する人の考え方|会計・財務視点で読み解く“負けない投資思考” – 渋谷の賢明なる投資犬
②損益計算書(P/L)|企業の稼ぐ力を見極める
損益計算書は、企業がどれだけ安定して利益を生み出せているかを確認するための財務諸表です。
★収益力チェックリスト
| 指標 | 目安 | 確認項目 | 見るべきポイント |
| 売上高成長率 | 年5%以上が継続 | 売上高の推移 | 一過性でなく中長期で成長しているか |
| 営業利益 | 連続黒字 | 営業利益 | 本業でしっかり稼げているか |
| 営業利益率 | 業界平均以上 | 営業利益/売上高 | 競合優位性があるか |
| ROE(自己資本利益率) | 10%以上 | 当期純利益/自己資本 | 株主資本を効率的に活用できているか |
| ROA(総資産利益率) | 5%以上 | 当期純利益/総資産 | 資産全体を使って利益を生めているか |
たとえば売上高が順調に伸びていても、営業利益がマイナスの場合、
・本業で十分に利益を生み出せていない可能性
・人件費・広告費などのコストが想定以上に膨らんでいる可能性
が考えられます。
このように、単一の数値だけでは企業の実態を正しく把握することはできません。
そこで「収益力」を確認する際は、先ほど挙げたような複数の指標をセットで見ることが重要です。
上記の確認項目は簡易的なチェックですが、まずこれらを順に確認するだけでも、企業や課題やリスクを把握し、客観的に企業の本質的価値を見極めることができます。
③キャッシュフロー計算書(C/F)|お金の流れを理解する
キャッシュフロー計算書は、企業が実際に現金を生み出しているかを確認するための財務諸表であり、以下3つの活動区分があります。
・営業キャッシュフロー
・投資キャッシュフロー
・財務キャッシュフロー
★キャッシュフローチェックリスト
| 指標 | 目安 | 確認項目 | 見るべきポイント |
| 営業キャッシュフロー | 継続的にプラス | 営業CF | 本業で現金を生み出せているか |
| 投資キャッシュフロー | 成長期はマイナス | 投資CF | 将来の成長につながる投資か |
| 財務キャッシュフロー | 急増は注意 | 財務CF | 借入依存や資金繰り悪化の兆候がないか |
フリーキャッシュフロー(FCF) | 安定してプラス | 営業CF-投資CF | 企業が自由に使える現金を確保できているか |
一般的は、本業でしっかり稼ぎ(営業CF+)、将来のために投資(投資CF-)、借入返済(財務CF-)ができている「営業+、投資-、財務-」の状態が理想と言われています。
※企業の成長ステージ(創業期・成熟期など)で理想は変化します
3.財務諸表は「本」|ストーリーを読む
財務諸表は、単なる数字の羅列ではありません。
それぞれの数値や指標が表す意味を理解することができれば、
「財務諸表は企業のストーリーが書かれた本」のように見ることができます。
例えば、売上が伸びているのに営業キャッシュフロー(本業による現金創出)が伸びていない場合、
・売掛金が増加している可能性
・販管費等が売上以上に膨らんでいる可能性
・在庫が増加している可能性
等様々な理由が考えられます。
このように、数字の違和感から背景を考えることが重要です。
会計士の実務でも、まず違和感を見つけ、その理由を深掘りすることから分析が始まります。
この視点を少しでも持てるようになることで、投資家として一段深い企業理解が可能になります。
4.財務諸表の理解は不労所得への近道
私自身、日本株・米国株・ETFへ分散投資を行い、資産3,000万円に到達し、サイドFIREを達成しました。
特別な投資テクニックを使ったわけではなく、常に意識していたのは「株価ではなく、企業の中身(本質的価値)を見る」という姿勢です。
財務諸表を数値で理解できるようになると、「この企業は本当に稼げているのか」「長期で生き残れる体力があるのか」を、自分自身で数字から判断することができます。
株式投資において、不労所得を目指す上で重要なことは、
企業の本質的価値を見極め、良い企業を長く保有すること。
その価値を見極める判断基準の軸になるのが、財務諸表です。
財務諸表を読む力は、不労所得を支える“土台となるスキル”だと、実体験から強く感じています。
まとめ|財務諸表=最強の武器
財務諸表は、企業の成長性や安定性を数字で確認できる最良のツールです。
投資初心者の方にはあまり見慣れない項目も多いかもしれませんが、
まずは財務諸表をチェックリストに照らし合わせるだけでも、十分に企業の価値を理解することができるはずです。
財務諸表を読む力は、一生使える投資スキルです。
今日からぜひ、数字と実務視点を味方につけ、根拠のある投資判断を行っていきましょう。


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