投資を始めたいと思いながらも、「何から手をつければいいのかわからない」と感じている方は多いです。
私自身、会計や監査の現場で多くのお客様と関わってきた中で、投資に対して誤解や不安を抱えたまま踏み出せない方に数多く出会ってきました。
しかし、投資は特別な人だけのものではありません。正しい知識を身につければ、誰でも自分の力で資産を育てていくことができます。
ここでは投資の基本から手順、注意点まで、初めての方が迷わず進めるためのポイントを丁寧に解説します。
投資を始める前に知っておきたい大切な考え方
投資は「当てるもの」ではなく、「育てるもの」です。短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、長い時間を味方につけて資産を大きくしていくイメージが大切です。逆に言えば、知識を身につければ、誰でも投資の一歩を踏み出せます。
特に押さえておきたいポイントは以下の3つです。
- 目的を明確にすること(何のために資産を増やしたいのか)
- リスクとリターンの関係を理解すること
- 長期・分散・積立の基本を大切にすること
これらを理解しておくことで、不要な不安や誤解を減らし、自分に合った投資スタイルを選べるようになります。
投資の目的を明確にする
投資の目的は人それぞれです。
将来のための資産づくり、老後資金、子どもの教育費、早期リタイアなど、目的が変われば選ぶ商品も投資の方法も変わります。
具体的に目的をイメージしておくことで、ブレずに積み立てを継続できます。
最初に知っておきたい投資の基本用語
投資を始める前に、最低限知っておくべき言葉があります。
ここを理解していれば、投資情報の理解度が一段と上がります。
さらに、これらの用語は金融ニュースやSNSで日常的に登場するため、知識として押さえておくと投資判断が格段にしやすくなります。また、理解しておくことで情報に振り回されず、自分軸をもった投資を継続しやすくなります。
● 投資信託
投資家から集めたお金を専門家が運用する商品。
少額から始められ、分散投資がしやすいのが特徴です。
さらに、投資信託には株式型・債券型・バランス型などさまざまな種類があり、自分のリスク許容度に合わせて柔軟に商品を選べます。また、専門家による運用が行われるため、投資の知識が少なくても始めやすいというメリットがあります。
● NISA
利益が非課税になる制度。
2024年から新NISAとして恒久化され、初心者にとって最強の投資環境になりました。成長投資枠とつみたて投資枠を併用でき、長期的な資産形成を後押ししてくれる制度です。また、非課税期間が無期限となったことで、長期投資との相性が非常に良くなり、複利効果を最大限に活かせる点も大きな魅力です。
● iDeCo
自分で作る年金制度。
掛金が所得控除になり、節税効果が高いのが魅力です。長期間運用する前提で設計されているため、老後資金づくりに向いています。また、運用益が非課税になるため、効率的に資産を増やせる可能性があります。一方で60歳まで原則引き出せないため、その点を踏まえて無理のない範囲で活用することが大切です。
● 配当金
企業の利益から株主に分配されるお金。
不労所得の代表的な収入源です。配当金を受け取りながら長期保有する投資スタイルは、安定したキャッシュフローを得たい人に人気があります。また、企業によっては毎年配当を増やす「増配企業」もあり、成長企業への投資によって将来的に配当収入が大きく増える可能性もあります。さらに、配当金は株価の変動に左右されにくい収入源となるため、長期的な資産形成において強力な味方になります。
初心者が投資を始めるための5ステップ
投資は段階を踏んで進めることで、リスクを抑えながら始められます。
さらに、各ステップを丁寧に進めることで、投資に対する理解も深まり、長期的な資産形成の土台がしっかりと築かれます。
特に初心者にとっては、最初の一歩が最もハードルが高く感じられますが、体系的に進めることで「何をすべきか」が明確になり、不安も大きく減らすことができます。また、段階ごとに目的や意味を理解しながら進めることで、継続しやすくなり、将来的に大きな成果につながります。
STEP1:家計を整える
投資は余剰資金で行うのが鉄則です。毎月どれくらい投資に回せるか、まずは可視化しましょう。家計簿アプリを使って収支を見える化すると、ムダな支出が浮き彫りになり、「どこを改善すれば投資に回せるのか」が明確になります。また、生活防衛資金として最低3〜6ヶ月分の生活費を確保しておくと、不測の事態があっても安心して投資を続けられるというメリットがあります。家計を整えることは、投資の土台を作る“最初の成功体験”とも言えます。
STEP2:証券口座を開設する
NISA対応の証券口座を開くことで、効率的な資産形成ができます。証券口座の開設は数十分で完了し、ネット証券を選べば手数料も安く、初心者でも使いやすい操作性が魅力です。また、NISAを活用すれば利益が非課税になるため、投資効率が大幅に向上します。
特に長期投資を前提とする場合、非課税制度の活用は資産形成に欠かせない大きな武器となります。
STEP3:投資商品を選ぶ
初心者は「投資信託」が最適。中でも世界株式に分散されたインデックスファンドは安定感があります。なぜなら、1つの商品で数千〜数万の企業に分散投資できるため、リスクを自然に抑えられるからです。また、インデックスファンドは手数料が低く、長期運用に向いているため、多くの投資家から選ばれています。
投資経験が浅いほど“王道の商品”を選ぶことが成功への近道です。
STEP4:積立設定をする
毎月自動で投資することで、感情に左右されず長期的な成長が見込めます。
積立投資は価格が高い時には少なく、安い時には多く購入できるため、平均購入単価が平準化されるメリットがあります。さらに、自動積立によって手間もかからず、習慣として継続しやすくなるため、長期投資の成功率が大幅に高まります。
STEP5:定期的に見直しを行う
投資は一度設定したら終わりではありません。
生活環境や収入、ライフプランの変化に応じて、投資額やポートフォリオを定期的に見直すことが大切です。例えば、昇給したタイミングで積立額を増やしたり、目標に近づいてきたらリスクを抑える商品にシフトしたりするなど、状況に合わせた調整が必要です。また、年に1〜2回は資産状況を振り返り、「目的に合った投資が続けられているか」を確認することで、長期的な資産形成の軌道修正ができます。これにより、無駄なリスクを避けながら、より効率的に資産を増やすことが可能になります。

長期投資が最強と言われる理由
長期投資は時間を味方につけることで、複利の効果が最大限に活かされます。
この“時間の力”は、投資を続ければ続けるほど雪だるまのように資産を大きくしてくれる働きを持っています。短期で大きく増やすのは難しいですが、長期的な視点でコツコツと積み上げていくことで、相場の上下に一喜一憂する必要がなくなり、結果的に安定した成長を実現しやすくなります。
また、リスクも平均化され、相場の荒波に左右されにくくなるため、精神的にも安定して投資を継続できます。そのため、忙しい人や専門知識が少ない人でも着実に資産形成を進められる点が大きなメリットです。
投資を続けるために大切なこと
投資で一番難しいのは「続けること」です。そのためには以下のポイントが役立ちます。
- 毎月自動積立を設定する
- 他人の投資成績と比較しない
- 急落が起きても慌てず積み立て続ける
- 情報は最低限に絞り、必要以上に感情を揺らさない
投資の知識を身につければ未来は大きく変わる
投資は決して難しいものではありません。
特別な才能がなくても、正しい知識と習慣があれば誰でも資産を育てていくことができます。
私自身、会計や監査の仕事を通じて「お金に関する正しい知識の重要性」を強く感じてきました。制度を理解し、分散投資を行い、長期的に続けていくことで、誰でも豊かな未来を描けるようになります。
まとめ
投資の始め方のポイントは以下の通りです。
- 投資の目的を明確にする
- 投資用語(投資信託・NISA・iDeCoなど)の基本知識を理解する
- まずは、分散・長期・積立を徹底する
- 正しい知識こそが最大の武器になることを理解する
一歩踏み出すかどうかで、未来の安心度は大きく変わります。
ぜひ今日から小さく始めてみてください!!

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